人はなぜ生まれ、どう生きるべきなのか
以前、国立ハンセン病資料館についての記事を書きましたが、友人の看護師よりハンセン病を題材にした小説があることを知り、読みました。
話の中でもハンセン病に対する差別などが映し出されており、悲しい気持ちになります。無知なことは罪だと思いました。
どら焼き屋を営む店長とハンセン病患者のおばあちゃんとのやりとりがメインなのですが、そもそも作者のドリアン助川さんがどういう思いでお書きになったのかも気になったので調べてみました。
「らい予防法」が廃止され、ハンセン病の当事者たちが、治ったあとも長きにわたり療養所に隔離されていたことをマスコミが伝え始めました。そのときに助川さんは「療養所に隔離されてきた人たちが生まれてきた意味ってなんだろう?」と考えたそうです。けれど、自分の答えも出ていなかったその問いを生放送のラジオで声に出すことはできませんでした。ただ、「人間として生まれてきたことの意味、生きることの意味を、ハンセン病をテーマにした小説の中で書こう」と決めたそうです。
どら焼きというのも、以前療養所にいた経験があり、懇意にしていた女性患者が製菓部に所属していた話をヒントにしたそうです。
人との出会いが物語を作っていくのだなと考えさせられました。自分も職業を通じてどう生きるべきかを探していくつもりです。