闇営業仲介人も被害者意識があるのが問題
世間で話題になっているので皆さんご存じだと思いますが、吉本興業所属のお笑い芸人らが反社会勢力の会合で闇営業をしたと報道されました。
闇営業というのは所属事務所を通さずに直接顧客と金銭のやり取りを行い、サービスを提供することです。
この問題で一番納得感があったのは、俳優の高橋英樹さんがコメントを求められた時に、「依頼主を調べもしないで直接仕事を受けたらリスクが高いに決まってるじゃないですか。何のために事務所があるんですか?という話です。」とおっしゃっておりました。
今回、闇営業を仲介したとされる方々も口をそろえて、「素性を知っていたら仕事は受けなかった。」と訴えていますが、それは世の中大勢の人が当然にそう思うでしょう。利益優先でコンプライアンス(法令順守)の甘さが浮き彫りになった問題でした。
皆一生懸命に反社会勢力とのつながりが無いことを主張してはおりますが、これだけ世間で騒がれたら主張は届かないと思います。グレーな部分だったのがブラックになっていることに気づけなかった結果です。
人が増えるにつれて管理の目が行き届かなくなるというのはどこにでもある問題で、中小企業などは一人社長のところも多いですから利益優先で管理が疎かになってしまいがちです。
宮迫さんと亮さんの会見を拝見しましたが、おそらく宮迫さんは普段から自身の口座にどこからいくら振り込まれているか把握していないと思います。もちろん世の中すべての人がお金の入出金に関して漏れなくチェックできているとは思っておりません。そちらに意識が行くと面白い発想も生まれないと思いますし、それを補い分析するために経理や財務という専門的な仕事があるのです。
ビートたけしさんが「オレら芸人は猿回しの猿と一緒。猿が噛んで、猿に謝れって言ったってダメ。飼っている人が謝るんだよ」と持論を展開されておりました。管理に一人置く置かないかで企業の寿命が違うのは経験から明らかなので、管理することの重要性を経営者に理解して頂くのが我々士業の一つの役目でしょう。