住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)の確認
不動産の話は元々は私の大切な方のために集めていた情報ですが、企業の従業員のためにもなると思ったので記事にしました。今回は税務的な話かもしれませんが、あくまで”労務管理のため”だと思って読んで頂ければと思います。
けっこう知らない人が多い住宅ローン控除
会社勤めをしていると”年末調整”というものが毎年、年末年始に行われます。12月、1月くらいに、いつもより給与が増えてる!など経験されたことがあると思います。
社長、人事部、総務部などから従業員に対して年末調整の資料提出を求めますよね?その際に従業員は生命保険会社、損保会社からの控除証明書等を提出してくると思いますが、”銀行(金融機関)借入残高証明書”というものを提出してくる従業員も少なくありません。これ不動産を購入する際に銀行から借金した証明書です。
借金ばかりで利子も払わないといけないとなると経済が潤わないので、個々にかかる税金を安くしようと国が特例として住宅ローン控除という制度を設けたんですね。これは借入金額を元に計算されます。そのため銀行借入残高証明書の金額を確認する必要があります。
最初は・・・年末調整できません
ここが一番知られていない部分で、”銀行から借入をした初年度は住宅ローン控除が年末調整では使えない” ということです。
じゃあどうすんだ!という話ですが、従業員自ら”確定申告”をしてもらいます。基本的にサラリーマンは年末調整で個人の税額を確定させますが、個人事業主、2か所以上から給料をもらっている方などは確定申告をして個人の税額を確定させます。
なんで1か所からしか給料をもらっていないサラリーマンなのに確定申告しないといけないの?という意見があるかと思いますが、それは”税務署に不動産購入のための銀行借入がある事実を知ってもらうため”です。税務署も本人に直接届け出してもらわないと把握できないんです。届け出後に税務署より”給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書”という書類が確定申告をした従業員宅に送付されます。これで翌年度より残高証明書と申告書があれば年末調整が可能になります。
一言、声掛けてあげるだけでいいんです。。。
大企業などは人事部、総務部がきちんと対応していると思いますが、”中小企業は年末調整を税理士に丸投げのパターンが多い”です。期限があるので、この時期の税理士事務所はとても忙しいです。”税理士事務所はきちんと提出された資料だけを処理をする”というのが大前提にあるんですね。もちろん税理士事務所も可能なかぎり再度内容確認してくれますが、ギリギリに提出するようなケースではスルーされます。
資料収集の段階で社長さんが、”あれ?借入残高証明書だけしかないぞ。控除申告書は?”と気づいて頂き、従業員に確認することが大切です。
住宅ローン控除は金額によりますが、その年だけで数万円税金が変わります。最近に住宅購入した場合なら10年は控除を受けられます。総額で考えたらすごい金額だと思いませんか?という話を従業員にすることによって”しっかりした会社”と認識されますよ。
これですね、単なる事務作業の一環だと捉えてる方が大勢いるわけです。結局、従業員がすぐ辞めちゃうのは細かい小さいことの積み重ねが原因です。この会社は何も教えてくれない、だらしない会社だと思われるのも一つのマイナス要因です。差別化を図らなければ企業として生き残れません。